教えるということ

発表会に向けておうちでの練習で大変なことも多いのかなと思います。

小学生に上がって練習もブルグミュラーぐらいを超えてくるときちんと弾こうと思うと練習が必要となりますし、

真面目なお母さんほどお声がけが大変で、負担になられているように思います。

この1週間はそんなお話を何件も聞きました。

もう、反抗して、やりなさいと言われてもやらない、やっても1回、2回しかやらない、もう、無理だなと思ってと・・・。

それでいいの?って思ってという親御さんのお気持ちを表すワードは良く聞きます。

 

ピアノは、スイミングみたいに、行ってそこで練習みたいなものではなく、お家での練習がどうしても必要になります。

また難しくなると好きでもない曲だったり、指の体操的な練習曲やバッハは難しいし、嫌だなと思う子も多いはずです。

そりゃあ、私も練習してきてくださると良く進んでいいですけど、それでもね、やっぱり、大事なのは、どんな状態でも長く続けていくことだと思うのです。

お母様が真面目だとやらないならと思われるかもしれませんが、放置であんまり弾けなかった子が大学生なり続けた結果は、普通に弾いてますからね。

今辞めたら、いくらその時はそれなりに弾けている子でも本当に弾けなくなってしまうんですよね。

うちの下の娘は、ヴァイオリンをやっていて二つやるのがどうしてもごねて嫌で小4に上がったタイミングでピアノは辞めましたけれど、未だにピアノを辞めたことをずっと後悔しています。

それもわりと早い段階で辞めたことを後悔していました。

なので、また習ったらといっても、本人は辞めたことで本当に弾けないし、周りがあんなに進んでしまったら弾くのが恥ずかしいじゃんといって、未だに悶々としているのです。

YouTubeで、音符がおりてきて鍵盤が光るものを見ながら弾いてみたり、簡単な楽譜を買って弾いては弾けないなといい、(やめた時)あの時ママがもっと頑張ってくれなかったからというときもあります。

ピアノというのは、スポーツだったりと違って自分のペースで出来る本当に良い習い事なんです。

別に弾けなくても迷惑はかけませんから。

そして一生できる、100歳になっても重力に逆らわないので出来る習い事です。

 

おうちでのバトルにつかれたら私に丸投げしてください。

お子さんは、ピアノが嫌なわけじゃないのです。

練習がイヤ、お母さんに怒られるのが嫌なだけなんです。

 

以前から何度も言っていますが、私もかつてはピアノをずっと辞めたかった子です。

そして、泣く私を母が引きずっって教室に連れて行きました。

そんな私が、ピアノの先生です。

お子さんの気持ちも、出来ない子の気持ちも、親御さんの気持ちも全てわかる特異な先生です。

親御さんの仕事は、練習させることではなく、どんな状況でも教室に連れてきてくださることで、続けるサポートをしてくださることです。

必ず、モノにしますから。

 

教えるということに悩むこの1週間でした。

そんな時、昨日、4年ぶりに大学の恩師とお電話で話しました。

娘は恩師の最後の弟子で、娘が大学で頑張っていることを大変喜んでくださいました。

今年1年で今お世話になっている先生が退官なさるので、来年から違う先生に行かないといけないとお話ししましたら、

先生がこんなことをおっしゃいました。

「教えるということは、分け与えること。だから、地位がなくても、例え若くても、人柄の良い面倒臭がらずに教えてくださる先生のところにいきなさい。いくら技術があっても一生懸命やってくださる先生にいかないとね。教えるということは、自分の技術をその人におしげなく注ぐことだから」と。

私は、少し涙が出そうになりました。

自分も26年間教えてきましたけれど、一生懸命、ピアノだけでなく色んな生活面も含め、親御さんやお子さんの味方になって一生懸命歩んできたつもりですが、生徒さんにとってそんな先生になれてたらいいなと。

ピアノだけ見るではなくやはり、普段の生活が充実してないと、子供は幸せではありません。

だから、子育てするつもりでやってきましたが、今週もっと淡々とやればよかったかなと思う出来事があって悩んでいました。

恩師に戴いたお言葉は、間違ってなかったんだなと気付かせていただきました☆

 

至らないことも多いかと思いますが、一緒に悩み、一緒に育てていけるそんな先生で私はいたいなと思いますのでこれからも宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

長尾ピアノ教室

東京都八王子市堀之内

フードワン裏・京王堀之内駅徒歩10分